入札参加・落札までの流れ

米軍基地の入札に参加するにはまず米国政府の専用ホームページ「The System for Award Management (SAM)」で企業を登録しなければなりません。

登録には、東京商工リサーチが発番するダンズナンバーとNATOが発行するNCAGEコードが事前に必要になります。尚、陸軍工兵隊などの入札案件については、別途登録申請が必要になります。

具体的には「DUNSナンバーの申請・取得」→「NCAGEコードの申請・取得」→「ログイン．GOVアカウント登録申請」→SAM登録」→「SAM登録の完了」という流れが基本です。

System for Award Management（SAM）→　https://www.sam.gov

米軍の入札情報は主に2つのホームページで公示されています。空軍や陸軍などが利用するホームページは「ベータ―サム」、海軍と海兵隊の入札は主に「アジアネコ」というホームページで入札情報が公開されています。尚、ベータ―SAMはすぐに利用する事ができますが、アジアネコを閲覧するには事前にSAM登録とユーザー登録が必要となります。

• betaSAM（ベータサム）→ https://beta.sam.gov
• AsiaNeco（アジアネコ）→ https://asia.neco.navy.mil
  ※AsiaNECOは閉設予定

betaSAM（ベータサム）またはAsiaNECO（アジアネコ）　で公示されている案件の仕様書はホームページ上からすべて簡単にダウンロードすることができます。セキュリティ上の理由で公示されていない図面等はシステム上で要請すれば入手する事ができます。その際は、ユーザーアカウントを作成する必要があります。
ホームページで公開される情報は主に4種類あります。

1. Request for Quote (RFQ)―見積書依頼
   価格評価を重視した案件
2. Request for Proposal (RFP)―提案書・企画書
   専門性・実績・技術・人員・財務状況などを重視した案件
3. Sources Sought―情報提供の依頼
   今後予定している入札に興味を持っている企業がどれくらいあるのか、その業務を行うのに日本ではどのような資格が必要なのか等の情報収集のために使用されます。
4. Award Notice―落札情報

米軍が公開する入札書には「SF1449」、「SF1442」という定型文書があります。SFの定型書類には次の内容が含まれます。

• 入札者が記入する会社情報
• 入札者が記入する見積金額
• 米国政府の規約
• 現場説明会の日程・参加申請の方法
• 納品先・納品スケジュール
• 入札参加に必要な提出書類など

物販など単発的な入札は比較的SF1449の提出のみで入札する事ができます。

建設系や長期契約（1年以上～5年）の入札はSF書類の他に以下の書類などがあります。

• Performance Work Statement（PWS）―作業指示書
• Pricing Schedule―作業内訳書
• Question & Answer Form, Pre Bid Inquiry Form―質問表
• Site Visit Request Form・Gate Pass Request―現場説明会参加申込書
• Drawings―図面
• Specifications―スペック
• Financial Info Data Sheet―損益決算書、貸借対照表
• SF24・SF25 Bid、Performance Bond―入札・履行保証書
• SF330 Architect-Engineer Qualifications―設計・技術者の資格・従事状況書

SF様式の他に次の提出書類が求められる入札があります。

• Past Performance―過去実績一覧表
• Qualifications & Licenses―技術者の資格・免許
• Past Performance Survey/Questionnaire―過去実績質問票

※Past Performance Survey/Questionnaireとは入札する企業が過去の発注企業、または取引のある企業に依頼する評価表。

メールに入札書類を添付し、送信します。送信後、入札書類が無事届いているかの確認を電話で行います。
※印刷を求められる場合は、郵送もしくは直接手渡し。

米軍は特に開札日や指定期日を設けません。落札結果はお電話またはメールでお知らせされます。入札時に提出したSF様式が契約書となります。